単位(dB、dBm)
基本的に
・dBm(ディービーエム、またはデシベルミリ)は絶対値
・dBはその差分
という定義になっている。
光通信においては、1 [mW] を 0 [dB] の基準としている。
光受光レベルの基準値
校正済みのメーカーの光源と受光機を使うとして、下のように受光レベルが出たらどう解釈すれば良いのだろうか。
ちなみに、(考えてみたら当然なのだが)メーカーの校正済み光源は 0 [dBm] の光を送出する仕様である。
ワット数 | dBm | 解釈 |
---|---|---|
1 mW | 0 dBm | |
0.5 mW | -3 dBm | かなりよく成端出来ている |
0.2 mW | -7 dBm | 通常の光信号強度の範囲 |
0.13 mW | -9 dBm | 10 Gbpsの最小受付信号 |
0.1 mW | -10 dBm | |
0.03 mW | -15 dBm | 4 Gbpsの最小受付信号 |
0.025 mW | -16 dBm | 2 Gbpsの最小受付信号 |
0.01 mW | -20 dBm | |
0.001 mW | -30 dBm | 送信光の1,000分の1 もはや信号が届いているとは言えない。 |
ちなみに、今回光源として使っているのはフジクラ製FLS-20Tなのだが、校正値(光出力レベル)はマニュアルに「-5 dBm以上」と書いてあり割と曖昧である。なので、実際のところどれくらいの光損失があるのかは正確には分からないのだが、とりあえず導通していることが分かったので良いという事にする。
おまけ:NTTの受光値仕様について
NTT東西における局舎からの受光レベルとして、スプリッタの取付前に-10 dBmよりも値が高くないとスプリッタ取付は出来ず、工事やり直しとなるらしい。ここから更にスプリッタの挿入により-16 dBm程度(これは最良の場合)まで値が下がる。
実際にユーザ宅で観測すると、-22 dBmくらいが平均の様子。-30 dBmより悪い数値は見たことがない。ちなみに東日本では-30 dBmでインドアコネクタは根本から切り落として作り直す様子。
NTT東西におけるファイバの受光値は各電力子会社に比べて悪いのだが、これは主にマンション等において引き込み線の曲がりが多いことに起因するらしい。そして地下ケーブルの方が、架空線よりも品質が良いようである。
参考文献
・3分で分かる技術の超キホン 単位[dBm]とは?(アーカイブ)
・SFPモジュールの光信号強度を確認する方法 FS.COM(アーカイブ)
・レイヤ1 光伝送の不思議|JANOG
・フジクラ FID-30R/31Rのカタログ(※下記)
FID_2306_0162_01_J